2009年6月の日記
6月30日(火)雨
朝の出社前、久本雅美さんの言葉が目に止まる。
「少しでも時間のあるときは人に会います。
昨日もそう、今日の朝もそうです。
その中で、自分を磨かせていただいているんです。
先輩方の姿に学びながら、相手のいい部分を吸収するのが
クセになっているので、どんなことも自分の栄養になり、
指針としてとらえられる。これも日々の訓練のおかげですね。」
「笑いとふざけは違う。そのことを、師匠から教えていただきました。
ふざけは、人をいやな気持ちにさせて価値を生まない。
けれど、ユーモアは相手を喜ばせ、豊かにさせ、心をあったかくさせる。
価値を生んでいくものだ。
先生は、難しい話をされるときも、どこかにユーモアを入れておられる。
それが、だれの心にもしみわたるんですよね。
気取ったり、取り繕ったりする必要なんかない。
ありのままの姿でいい。命が輝くことが大事なのだと教えてくださった。
それが私の血肉になっているんです。」
朝、興信電機さん来社。
午後、小松電気さまにて次回ロットの打ち合わせ。
帰社後、竹内さん来社。次の仕事について。
アークさん来社。MIYOSHIの展望についてお話させていただく。
松本を注意した。
先週、協力会社との入出庫表をファイルに閉じるようにと提案。
確かにいつまでに終えるようにとは言わなかった。
が、5分で終わる仕事である。
今日、朝出勤した時点で終わっていない。
本人に聞いてみる。
本人は、「研一さんに指示をしました。」と言う。
誰に指示したかは知らない。
私は、松本さんにお願いをしたのだ。
5分で終わる仕事だが、先週から約100時間待っている。
もし、お客様とメーカーの関係だったら、2度とお願いしないだろう。
なぜそういうことになってしまったのだろうか。
QCDを守っても満足してもらえないことがある。なぜか?
お願いをした人が何を求めているかを想像しないからだ。
世界中のものづくり企業のほとんどは、ここが欠けてるんだ。
「指示書にないから、注文書どおりだから。」
目的は、何ですか?お客様に喜んでもらうことでしょ。
松本さんと僕の関係も同じだよ。
お願いした人が何を求めているかを、ちょっと想像すれば分かることだ。
若い松本には、期待をしている。だから言うんだ。頑張れ!
6月29日(月)晴れ
理想のライン。
朝礼で、金曜日に用意したラインに集まってもらう。
ベルトコンベアから、平台に移動。
「ああ、次のラインのためにベルトを空けたんだなあ。」
と思っているあなた!違います!
このラインこそ理想のラインです。
一個流し、JIT、一方通行、人の移動なし、
モノの移動のムダなし、バトンゾーン、ポカヨケなどなど。
なあーんだ。こんな、シンプルな現場でいいの?
というラインにそれが網羅されている。これが理想です。
理想のラインとは、ロボットが並んでいるようなラインじゃないんです。
夕方、相模原へ。ABE塾。
久しぶりに阿部先生と塾生にお会いできて嬉しい。
どなたかがお話してくださった、「社長劣化の法則」はおもしろい。
自分が社長交代の時に、そうならないように。
阿部塾長より。
「5分という時間は、言いたいことが言える時間。」
稟議案件もA4一枚にせよ。とのご指摘。
それ以上は、読んでもらえないと思いなさい。
いつも、大変勉強になる。
新たな出会いの機会もいただく。
6月27日(土)晴れ
MIYOSHIという会社が、世界一になるとき、
その生産方式は、どういうものになるのか?
量産と少量、大きいものと小さいもの、
複雑なものと単純なもの、いろいろなものが共存するMIYOSHIの中で、
一般的に言われる生産方式が、そのまま適用できるとは思えない。
だから、時おり社内的にフリーズを起こすのである。
精査されてきた。いよいよ戦略的に「MIYOSHI生産方式」を確立したい。
ここのところ社内で話題になる「プル生産」と「プッシュ生産」について勉強。
<プル生産>
プル生産は、お客様を満足させるための生産。
プル生産は、変種変量即納の現代の生産に適している。
多くのメリットがある割りにデメリットはほとんどない。
そのためには、いくつかの条件が整っている必要がある。
5S、JIT(ジャストインタイム)、かんばん、協力会社の理解。
<プッシュ生産>
鎖は引っ張れば、ピンと張りまっすぐに動く、しかし押すとグニュグニュになり動かない。
プッシュは、中央制御方式。(抹消神経のプルに比べ異常に弱い)
こんなときはプッシュでいい。
・専用ライン。一貫生産ライン。
・完全受注生産
・仕込み販売
・超短納期
●お客様の立場にたった生産方式。
<MIYOSHI式 生産方式>のめざすものは?
材料は必要であれば、預かっておく。
生産すると費用が発生するので生産しない。
必要なときに製品がほしいので、当日生産を可能にしてあげる。
オーダーを受けて、すぐに生産準備・資材準備をして生産出荷を当日行う。
場合によっては、正式なオーダーが入らなくても生産に踏み切る。
本来、超短納期を可能にしようとすれば、注文書がないのに製品にしておく必要がある。
が、それを避けるためには、超短LTにする必要がある。
例えば、10階建てのマンションを1週間で完成させる能力を持つ建設会社は、
きっと喜ばれるに違いない。いろんな可能性が見えてくる。
これは、
段取り、立上り、作業のスピードがあり、多能工であり、在庫管理が出来ていて、
高い品質を保つ仕組みを持っている。そういう会社にしかできない。
6月26日(金)晴れ
扇野とビックサイトへ。
行く車中に、資材管理についての電話が入る。
結果的には、勘違いだったが、
それをこちらから即答できないのが、ダメである。
「理論在庫は、電話を切らずに。」
これが、合い言葉じゃないのか。
と苦言をいいつつ、松本に対応させる。
ビックサイトは、大混雑だ。
製造ソリューションと機械要素技術。
あるテーマを持って行ってみた。
2011年。世界一と言える結果を持って、ここに立つイメージだろうか。
そのときのテーマは、ハードかソフトか。
単に生産技術という類から、管理とか、伝承とか、
動画マニュアル製作、OJTと時代を反映している。
ロボットが安くなっている。
何とか、汎用性を持たせて、社内に取り込みたいのだが。。
18時前に帰社。
今日のラインでは、目標を高く掲げて達成したようだ。
終わった瞬間に歓声が上がったくらい頑張ったと聞いた。
来週のためのレイアウトに苦心していたので、いっしょにやる。
時間がなくなり、宮崎と新倉に任せて一旦退社。
須藤、中尾、木村と懇談。短期ではあるが、頑張ってくれて感謝である。
木村から、N社とP社のものづくりの違いを教わる。なるほど。
夜会社に戻ると、月曜日の朝から立ち上がれるラインになっていて、
撤去した作業台は、次にいつでも使用できるように片付けられていた。
さすがだ。仕事は、”終わり方”を見ればすぐに分かる。
8割がこのレベルに達してくれれば強い工場になる。
6月25日(木)晴れ
「技術者による自由闊達なる理想工場の建設」
東京通信工業(SONYの前身)のテーマ。小野塚さんに教わる。
そして、「失敗を恐れない」ではなく、
「失敗を失敗と思わない。」という小野塚哲学を学んだ。
久しぶりに、工場内をくまなく見ていただいて、
説明をする。半年の変わりようにビックリされていた。
午後、東村山へ。
時間の流れがゆっくりに感じる。
段取り2日目にして、どうかと思うが。。
他社の現場なので、無理も言えない。
仕組みとマインドの大切さを、あらためて思う。
木村、宮崎に任せれば大丈夫と信頼できるので、
朝霞経由で、帰社。
6月24日(水)午後晴れ
朝礼にて、昨日の日経の記事を紹介。
トヨタが次に目指すもの。
それは、「機敏な巨艦」。
象がチーターのような動きをしようというのだから、
できそうには思えないが、
トヨタで本当にできるようになったら、我々の出る幕はない。
が、時代が求めていることは、たしかだ。
我々はその上を行く戦いをしよう。
以上、朝礼。
宮崎、新倉と次の仕事の立ち上げに、東村山へ。
立ち上げをいくつか経験してきた木村、宮崎、新倉が、
協力会社の中で、如何にいいラインを効率よく立ち上げることができるか。
品質と納期の打合せだけして、「いいラインは自分で考えなさい。」
という会社が多いが、「いいライン作り」それが我々の専売特許だ。
協力会社にも、しっかり儲けてもらうために責任を持つ。
そうしなければ、長いお付き合いができないし、自分に力もつかない。
そのための目標は、宮崎にも申し伝えてある。
毎日毎日、社内で前日の結果を聞かされているから、すぐにピンとくる。
が、社内でやるのと他社へ行ってやるのとでは大違い。
どこまで、できるか。
帰りに銀行へ。
昼にかかってしまったが、ライジングさまへ初訪問。
午後、お客様と共に、もう一度東村山へ。
着々と進む現場作りだが、MIYOSHI社内だったら1時間で終わっていたと感じる。
得意とする分野が違うから仕方がないが、我々はその仕組みをつくってきた。
夕方、東村山市内をくまなく。
6月23日(火)晴れ
ヨコタ工場長と3社訪問。
中小企業振興公社紹介で半田の仕事。
レーザージョブの三井さん訪問。
そして、MRTの飯田さん訪問。
移動の車中で、充実した語り合いができた。
午後、帰社。
戻ってみれば、3Fは期待通りのいい動きで生産をしている。
日中入った部材を持って、夕方青梅へ。
6月22日(月)小雨
朝礼で須藤をリーダーに任命。
リーダーであり、水澄ましの宮崎を下ろして、いけるかどうか。
品質は保てるのが分かっているので、あえてシフトしてみる。
一人いないことで、バランスが崩れて、どれくらいのロスがでるか。
宮崎に聞くことを遮る。意地悪なようだが、
普段から意識していれば分かることだ。
変化に強い組織をつくるためには、
「自分が明日、別のセクションになったら、
明日リーダーになったらどうするか。」
そういう視点で、ものごとを捉える必要がある。
そうすれば、見えてくるものがある。
そういう視点でものごとを考えてもらいたいのである。
須藤と午後懇談。
リーダーに選んだ理由。
目指してもらいたいこと。
気をつけるべきこと。などなど。
木村が今日から正式入社。
今週末の採用広告を検討。
6月20日(土)晴れ
「パラノイアだけが生き残る。」
インテル3代目CEO ポール・オッテリーニ
「偏執性」「病的な必要性」と約すのだそうだ。
「この会社は、何よりも事実とデータを優先する。
人の意見はその次だ。」と。
「人の意見云々」とは、誤解を招くかも知れないが、
それほどに経営判断には、確かな情報が大事だということだと思う。
その上で、僕は感じる。
師匠の言葉をお借りすれば、
「人だ、人である。」である。
この1週間も、あらゆる変化球や急な対応を全て受けきった。
「何だか、いけそうな気がする〜〜」と、僕が現場でカイゼンを思いつくと、
「でも本当にやっちゃうからな、社長は。」と、返ってきた。
この一週間戦ってきて、現場で勝ち得たものは、
仕組みと人間力との総合力であった。
たしかに仕組みがなければ、現場は疲弊していたにちがいない。
が、その上で、頑張るスタッフがいるから出来たことだ。
「えー!また変えるんですか。もういいじゃないですか。」
なんて言葉は、出てこなかった。
仕組みはまねできるが、人間は簡単にまねできない。
人間力ということろに、とことん執着したとき、
世界一のヒントが見えてきたりするのかも知れない。
「パラノイアだけが生き残る。」
我々零細にも、あてはまる言葉だ。
6月19日(金)曇り
CANON様より、グリーン調達審査合格の知らせ。
認定書をいただいたので、朝礼にて発表。
昨日の朝、内野さんが飛んで来てくれた。
「品質だって良くなきゃいただけないんだから、すごいことだよ。
これだけ短期間で認定をいただいた工場はないよ。」と。
ありがたいことだ。
もともと何の力もない我々に懇切丁寧にご指導くださった、
皆様のお陰である。
急遽、予定が空いたので出かけた。8社訪問。
7月の協力会社を探す目的もあった。
気になって飛び込んだ会社は食品製造だった。
ちょうどいい協力会社は探すのが難しい。
究極の短納期に対応しようとすれば、
近いネットワークが必要になる。
が、組立屋となるとまったくない。
まったくないということは、競合がないということか。
自分が力をつけるしかない。
今だに、レスポンスの悪い会社が存在すると聞いた。
不況が長引いたために、暇に慣れてしまったのではないか。
「何でもやります。」と言っておきながら、
あれは出来ない。これは出来ない。と。
ふんぞり返っていて、世の中のせいにしていては解決しない。
自分が痛みをともなっても、生まれ変わるしかない。
今は、それが出来る大チャンスだ。
まずは現場の力をつける。そして営業力で勝負する。
夕方、帰社。7月の生産体制を宮崎と相談。
7月はMIYOSHIが、もうふた周り成長する月だ。
2011年を見据えた、いい機会になる。
6月18日(木)曇り
●プロは勝ち負け。
アマチュアは、楽しいかそうでないか。
でも、本当に強いプロは、勝負の中に楽しみを見つけている。
楽しくなければ、続かない。
どうしたら楽しくなるのか。自発能動だと思う。
内発パワーを使うことだ。
やらせれている間は、一時的に伸びても、
必ず成長が止まる。そこから先は、自分でやるしかない。
今の現場は、エンジンはかけたが、後は自分で勝手に伸びている。
自発能動だから、要求されていることは厳しいのに、楽しそうである。
朝10時。朝の会で知り合った、
ビー・アンド・プラスの亀田さん来社。
非常に優秀な方で、刺激になった。
2代目になりそこなった私の経験が何かの役に立てばと、
MIYOSHIの取り組んでいる全てを、2時間で見ていただいた。
この出会いは、今後が楽しみである。
●ラインについて
作業配分は、10年くらいかけても決まらないと思え。
ロボットじゃなく、人間が仕事をする以上仕方がない。
でも、バランスは非常に重要。品質に一番影響するからだ。
バランスを取る方法。
「水すまし」とか「タクトフォース」とか、
つまりを無くす方法以外にやり方がある。
最後は、セルに近づかせる。
夜、ユニバーサル電気志村社長のところへ。
来週以降の打合せ。
「私の責任で、必ず達成させます。」
分レートの達成まで約束をする。
珍しいやり取りだと思うが、WINWINでないといやだからだ。
6月17日(水)晴れ
「もう一人減らして挑戦してみたいんですけど。」
なんて言葉が、宮崎から飛び出してきた。
そうだ。毎日変えるんだ。シンプルに、狭く、短く。
青梅に2回飛ぶ。
こちらからの無理なお願いだからだ。
帰り道で管理職とやり取りする。
お客様がどう思っているか。分かる?
喜んでいるか。悲しんでるのか。
我々、渉外担当の使命は、臭いを嗅ぐこと。
お客様は、本当のところはどう思っているのか、
なぜそういう要求なのかを想像すること。感じること。
これが、出来ないと。『言われた通りにしました。
そしたら、喜んでもらえませんでした。』
なんてことになっちゃう。
これからの日本の製造業は、ここが大事なんだよ。
注文書がないからつくれません。
指示書にないからやってません。
検査規格にないので見てません。
たしかにそうだよ。我々に責任はないかも知れないが、
でも、お客様が喜ぶ結果になっていない。
想像して先回りする。これは、日本人特有の「おもてなし文化」だ。
NeedからWantsへ。
お客様自身も気がついていない要求事項を、
プロの目で提供したり、提案してあげる。
これが、最後の分かれ道のような気がするのだが。。
6月16日(火)夜雷雨
作業日報について再度徹底。
昨日、全員提出してくれました。
いくつか、再度徹底します。
時間は、hで15分単位程度。
よって、細かくても2.25hとかになります。
大事なことは、合計時間がタイムカードと合っていること。
昨日提出した人の中で何人か、合計が合わない人がいました。
1時間行方不明とか、15分内容不明とか。
業務が目まぐるしく変わる人は大変ですが、
必ず合計が就業時間とイコールになるようにしてください。
そして、記載時間は1分程度にしてください。
書くのが目的ではありません。
管理職は、これを全てやってきました。
個人で出来ないわけがありません。
そして、○△×です。
この勘を磨いてもらいたいのです。
我々は、プロです。
アマチュアとの違いは、勝たなければいけないということです。
勝ったのか、負けたのかが分からない勝負はありません。
以上、朝礼。
日中さいしんとのやり取り。
今日から、個人の作業日報は作業メモに名称を変更。
作業日報の入力は、松本に担当を変更し、扇野がチェック。
ラインは、今日もカイゼンを加える。
現場でも、もっと違うやり方はないのか。
と、特に午前中にアイデアが出ることが多くなった。
非常にいいことである。
今日の勝ちのために、数を追うこととともに、
明日の勝ちのために、仕組みをカイゼンすること、
この両方をできるようになった。
人間は、段々動かしたくなくなるものである。
「もういいじゃん。これでそこそこうまくいってるんだから。」
そういう現場の声をぶち破って、毎日毎日現場を変え続けることである。
セイワ高橋さん来社。近所でも知らない会社が多いものである。
会社の方を連れて、また来たいとのこと。ありがたいことである。
「どんなに状況が困難であっても、自分の内なる声に傾けることだ。
自分の内なる強さによって立つならば、必ず勝利がもたらされる。」
IAEA事務局長 モハメド・エルバラダイ
6月15日(月)夕方豪雨
数ヶ月考えてきた個人別の作業日報を運用スタート。
製品、作業内容、時間(h)、個数、○△×を毎日報告。
メモ形式に
時間は、合計がタイムカードと一致するように。
「月末に自己評価もするのに、
今度は毎日やるんですか!」と。
「そうです!」ちょっと力が入ってしまう。
この作業メモには、時間をかけないでください。
いつも、意識しているはずのことを、書くだけです。
1分でいいです。今日やったことを残してください。
管理職は、毎日皆さんの作業時間と内容を記録しています。
ここに何時間、あちらに何時間。自分が一番分かるはずです。
ミソは、○△×です。
これは、品質とスピードで、出来たと思ったら○。
スピード足りないと思ったら、△。
問題があったら、×をつけてください。
品質上の△×はありえません。
品質の問題は、日中にクリアしているはずだからです。以上朝礼。
エナックス様への納品以外は、会社を出ずに時折ラインに入り、
カイゼンし続ける。昨日よりはラインは上向くが、その他が数字いかず。
一歩前進は、「今日16個生産できますか?」
に、二つ返事で対応したことだ。
「今日出来ますか?今日出荷できますか?」に対して、
○○分で対応できる能力、仕組みを持つというようなことが大事になってくるのではないか。
昨日に引き続き夕方豪雨。
6月12日(金)晴れ
朝礼。昨日の50分のライン変更。
なぜこういうことができるか分かりますか?
新倉さんが全部のラインや屋台にキャスターを履かせたからです。
次の動きにムダがないようにする。
これが、「カイゼン」なんです。
電源を取りやすいように。
移動しやすいように。
作業台を選ばなくていいように。
普通の工場では、半日かかります。
5Sが出来てなかったり、べた置きがあったり。
配線が床でモールを使用していたりしたら、
レイアウトの変更をする気すら起きない。
レイアウトを毎日変えられるようにしておくことです。
なぜか?
私たちの仕事は、
「お客様に喜んでいただくこと。」だからです。
「お願い!この間1万5000台やったやつ、
明日、160個だけできる?」
「はい!了解です!」
これを私は、「今日出来る?」に全て応えたい。
スポットは全て受けてます。これからは量産もです。
「明日できる?」と「今日出来る?」では、全然違います。
「明日できる?」には、夜を徹すれば対応できます。
「今日出来る?」には、仕組みがないと対応できません。
これが、サプライズなんです。
もうひとつ大事な話があります。
「世界一になったときにどうなるか。」
「どうしてMIYOSHIさんはそういうことができるんでしょうか?」
と、日本中、世界中からMIYOSHIに工場見学に来られます。
それが世界一になった証拠です。
そのときに、みんなメモとっていくでしょう。
キャスターはかせる。電源とれる。利益管理。業務フロー。
でも、本当のところに気がつかない。
「おかしいじゃないか。MIYOSHIのマネしたのに。」
と気がつくときがくる。
それは、一人一人の目とチームワークです。
一人一人がどれだけ真剣に業務に取り組んでいるか。
そして、目標達成に向かって仲間で団結しているか。
実は、いくらカイゼンを重ねても、それがなければ勝てない。
それが、「責任」と「協調」なんです。
あぱっち野球軍が、強敵を倒すときのポイントがここにある。
責任と協調なんです。
どんなに立派な工場作っても、目が死んでるスタッフでは勝てない。
逆に目が生きてるスタッフが協調している工場は、世界の大手をも抜く力を持つ。
今、大企業は中小企業に学ぼうとしている。そういう動きになっています。
本当に学ばなきゃいけないのはここです。
以上、朝礼。
今日は10時半で、同じラインを使って別の仕事に切り替えます。
何分のロスでいけるかに挑戦です。
3分で切り替わった。
同じライン上に、次の機種が流れている光景は、
ウーンかっこいい!と思った。
作業者は、大変だ。一番から隣に急いでシフト。
どこかの自動車のラインのように、
違う車種が流れてきて、事も無げにラインマンが別の部品を取り付けていくような。
そういうことを目指していきたいと思っていたところの入り口くらいに立ったか。
6月11日(木)晴れ
レイアウト変更。を発表。
・奥にあったラインが邪魔をして、治具が遠い。
・量産とスポットの識別が分かりにくい。
・スポットは事務所に近づけたい。
・通路を狭くして作業スペースを確保したい。
などなどの理由でレイアウト変更をする。
通常は、夜のうちに済ませるものだが、
段取り選手権を経験していない新人に経験してもらいたい。
3F全ての変更なら、今までだったら1時間半はかかった。
朝礼終了後スタート。写真にあるように男性にしかできないことはない。
古いラインテープをはがし、棚移動、やぐら移動、ライン移動、
電設まで20分で設置完了。
そこから、ラインのスイッチ入れるまでに25分。
ヨシダパッケージのセット替えに負けるが、
10人以上の作業現場としては、
そこそこいい成績ではないだろうか。
明日は、日中のライン替えに挑戦。
6月10日(水)曇り
4時半起床、黒豚劇場へ6時ジャスト到着。
朝の会、発表はユーユー財託 木所社長。
財務、労務、品質、資材、営業、生産・・・
異業種での勉強会は、
なるほど、経験する順番が違ったりするので、
横で情報交換することは大事なことだ。
朝、会社に滑り込んで給与を渡しながら懇談。
評価の内容を伝えて、5月をどういう思いで仕事をしてきたかを聞く。
新人は、一様に「厳しいけど楽しい。頑張ります。」
とのコメントだった。
そのほかは、
スタッフ「急休みしないようにと頑張ってきたのですが、
最後に子供の具合で休みになってしまったので、
自己評価をゼロにしました。」
私「そういう思いでいてくれることが大事です。
でも、子供のことは優先してくださいね。
一人の命より重いものはないので。」
私「分レートを気にしてくれて本当に嬉しい。
普通のパートさんは、時給は気にしても、
分レートや単価は気にしないよね。」
スタッフ「この会社には、何か魅力があるので、
なくなってほしくないので、利益出せるよう頑張るんです。」
などなど。
5月の評価は、派手に目立つ量産現場よりも、
リーダーシップを発揮したり、多能工のスタッフに評価を高くした。
MIYOSHIの戦略である。
切り替えのスピード、立ち上げのスピードを持つスタッフが必要である。
ついつい量産現場へスポットが当たるが、僕が考えているのは違う。
午前、坂田さん来社。松下幸之助氏の話題に。
午後、監査で3社。新規立ち上げで2社来社。
あっちでこっちで打合せ。
監査は、EVでお迎えに上がり、
木村と松本からMIYOSHIの業務フローをご説明。
すでに立ち上がっている現場を見ていただいて、
非常に高い評価をいただいた。
新規の立ち上げには、諏佐と萩原を抜擢した。
諏佐は、量産の検査で1万分のゼロを達成。
次は、トータルでマネジメントできるかどうかに挑戦。
萩原は、理解力と立ち上がり、作業スピードが抜群である。
入社して一年経たないが、次へのステップである。
夜、七星科学 大島センター長と懇談。
種々アドバイスをいただく。
スマイルライン
仕入れと販売に利益配分が大きい。
我々は、その底辺なのだから、
両端にはみ出そうとするのがセオリー。
また、その底辺なりに必死であることが大事。
外注展開の考え方
出来ないものは出すな。
自分で苦労をしろ。
出来ないまま外注展開していたら、
力つかないし、リスク管理にならない。
コアコンピタンス
ホンダのエンジンが、優れているのは、
ダイカスト技術でも、設計でもない。
いいエンジンを開発する仕組みと人材があるからだ。
これが、コアコンピタンスだ。
何か、大きなヒントをいただいた。
6月9日(火)
シンプルな一本のライン。
やっと流れてきたか。
突き詰めればシンプルになる。
6月8日(月)雨
朝礼にて、ヨコタ電子工場長様のメールを、
了解をいただいた上で、全文紹介。
「昨日は、重大にお考え頂き誠にありがとうございます。
昨日の社長様のご連絡や松本様からのメールを拝見して、
夜遅くまで対応していただいたんだな・・・と嬉しくなりました。」と。
我々の仕事は、お客様に喜んでいただくために、価値を残すことです。
そのために魂を込めるんです。お客様の顔を思い浮かべればできます。
自然に行動に現れるはずです。
お預かりしている部材は、お客様の財産です。
這いつくばってでも、探すのがあたり前です。以上朝礼。
谷本が今日から合流。
昼、篠塚さん来社。情報交換。
新ラインスタート。
午後、工場監査。
ライン構成や管理については、褒めていただく。
が、立ち上がりのスピード不足は深刻だ。
1F厳しい要求あり。
さあ、消耗戦。どこまで。
国内の量産は減る一方なのに、
単価はいよいよ厳しくなる。
立ち上げ、切り替えのロスが致命傷になるのに、
スタッフが育っていないと生き残れない。悩みは深い。
やっと金型の見積り依頼あり、
羽村金型さんへ転送。
6月6日(土)晴れ
今日学んだこと。
●近代ハーバード大学の父
エリオット学長の掲げたモットー
「上を向け 下を向くな
前を向け 後ろを向くな」
「そして 手を差しのべよ」
この学長は若き教育者に尋ねた。
「君は戦えるかね」
青年教育者は「イエス」と答えた。
すると学長はさらに念を押した。
「すべての人が君に反対するとき
君を支持する人が一人もいないときでも
君は戦えるかね」と。
この一人立つ
学長の巌の如き奮闘が原動力となって
ハーバード大学は 比類なき大発展を遂げたのだ。
エリオット学長は語った。
「私は寂しいと思ったことがない。
いつも戦っているからだ。」
学び戦い
そして前進する人生には悲哀も感傷もない。
常に充実があり 発展がある。
●キッシンジャー博士と周恩来総理
キッシンジャー博士は語られる。
「変化は生命の法則のようですね。」
周恩来総理は応じられた。
「問題は変化が前進しているか
後退しているかということです。」
今日一日、約30人の方とお会いし話した。
が、まだ温存している。
戦え。何のためと問いながら。
6月5日(金)雨
伊藤製作所伊藤社長来社。
「同じマインドでなければ仕事はできない。」
少し、厳しい話をさせていただく。
ユニバーサル電気さま来社。
扇野と週明け立ち上げのラインを製作。
3時間くらいかけて、タクトバランスもとる。
我ながら、シンプルで良いラインが出来たと思う。
グリス塗布や、バネの扱いや、欠品対策など。
これまで100社近い仕事をさせていただく中で、
学ばせていただいたことが、役に立つものだと感じる。
これが1社依存が高いとそうはいかない。
あらゆる会社のノウハウを学んで生かして、
カイゼンにつなげる。
これは、基板実装や、ハーネス加工と違い、
組立てという漠然とした広い領域の仕事だから、
余計に必要な経験なのだと思う。
「なあんだ。そんなやり方すれば僕にだってできるよ。」
というコロンブスの卵が、組立て工場にはあるものだ。
それを教えてもらい続けて、次の仕事に生かしていくんだ。
見積り1件。
夜、人事考査。
6月4日(木)晴れ
10時出発、川崎へ。
向かう車中で、
エアコンの受注。
接着の案件。銀行などなど電話あり。
11時半ヨシダパッケージさんに到着。
昼を挟んで、社内見学。
さすが、吉田さんだ。徹底している。
多品種少量に対応した仕組みを作り上げている。
確かに日本の企業は、量産前提のものづくりの仕組みが多い。
だから、多品種少量ではロスを生む構造になっている。
真空成型のパッケージなど、量産しなきゃ採算合わないに決まってると思っていたが、
なるほど、現場の努力も含めて仕組みをつくっている。さすがだ。
マシーンと人力のバランスをしっかり捉えたムダ取りがされている。
それから、ロス率の管理。材料ロスと時間ロスを人ごと、機会ごとに管理。
自分がMIYOSHI作業日報を作製する前だったら、ピンと来なかったと思う。
これはすごい。
それから、サンプル管理。
階段をうまく利用した棚に、いつでも出荷できるように管理。
当日出荷を前提としていると言う。写真
管理者と作業者のすみ分けがしっかりされていて、
現場のスタッフが、キビキビとしている印象を受けた。
吉田さんが管理者で、現場は作業者。分かりやすい。
それに比べて、MIYOSHIはどうか。
やる仕事の種類は多いが、それでも現場の作業者は、
最終朝決まったシフトを守りきればいい。
が、管理職に求められるスキルが複雑になっていて、分かりにくい。
「社長の代わりに何でもやれ。」と言わんばかりだ。
ヨシダパッケージは、シンプルな組織が、いい仕事を生んでいると感じた。
吉田さんから、感銘を受けた本を3冊拝借。
ついに、吉田経営塾の始まりか。レポート提出
午後、タイコエレクトロニクス様訪問。
夕方、近所を通ったので西野先輩宅に立ち寄る。ビックリされる。
西野先輩には、バイヤー時代に本当に助けていただいた。
工場では、計画通りにいったようだか、在庫に問題あり。
一旦帰った松本が、もう一度出社して、扇野と対応。
自分は、この問題で協力会社へ。
結局、夜遅くまでかかってしまった。
ご苦労様。
6月3日(水)晴れ
9時半、振興公社中村様来社。
約1時間しゃべり続けた。
羽村金型の池羽さん初来社で、
午前1社、午後1社マッチング。
「厳しい要求ほど、やりがいがあります!」
という池羽専務。カッコいい!
あわただしかったが、昼を挟んでいろいろと話ができた。
プレゼンも、阿部塾の存在意義から語ると説明が早いと気がついた。
「どういう繋がりですか?」と聞かれると、
「阿部塾で100%お客様志向の考え方を徹底的に学んできた同志です。
必ずやお客様に喜んでいただく仕事をしますので、ご安心ください。」と。
相模原部品様と次機種の打合せ。
マコトさん来社。
明日で終了のフジラインのスタッフとは、
一人一人時間をいただき、これからどうするのかを伺う。
「行き詰ったら『前進している証だ』と胸を張って、
何ものにも負けず、堂々と歩み抜け。」師匠。
「私のところは分レート30円超えが目標ですから!今日は嬉しいんです!」
とニコニコしているリーダー宮崎。
「計画数できなかったので、タイムカード押してから残ります。」
というリーダーの長崎。
タイムカードは業務終了までは押すわけにいかないのは当然として、その心意気が嬉しい。
『限られた時間の中で価値を残す』というプロ意識を痛烈に感じる。
また、5月入社の新人が、そういうリーダーのもとで、良い伝染をしているのが分かる。
本当に頭が下がる。ご苦労様。
6月2日(火)晴れ
7時出社し、御礼の手紙を書く。
新聞に目を通して、8時過ぎに管理職と会議。
9時朝礼の後、狭山へ。
移動中の車中で、急遽入った午後の監査の手配。
別件で、Kプランニング様より部品依頼対応。
11時半赤丸氏来社で打合せ。
午後一、ユニバーサル電気さまへ。工場監査。
終了後、都内へ御礼のご報告に。
夕方、伺って勉強になったことは、
できないことを許容するということ。
6月1日(月)晴れ
朝、立会いでの棚卸。
おとといも昨日も準備にあたった木村と松本。
ちょっと、時間をかけ過ぎとも思ったが、
お客様を案内して、自信満々に説明して姿を見て、
たのもしかった。
最初は、仕方ないか。
思う存分やった分だけ自信につながるということもある。
午前、ヨコタ電子さまへ伺い打合せ。
午後帰社。
1Fの様子がおかしいが、木村、長崎が対応しているようなので、
報告を待った。部材の不具合で、ラインが止まった。とのこと。
前加工にシフトするなどして対応したが、
夜、日報をまとめると、1Fの数字がまるでいっていない。
夜、管理職と打ち合わせをする。
6月に入った。もっとコスト意識を持て。
日々の日報を穴があくほど見て、
どこが甘かったのかを確認せよ。と。
仕事がないから利益が出ないのは、まだいい。
仕事があるのに利益が出ないのは、致命傷だ。
立ち上がりは終わって、ルーティンに切り替わったとの認識をしないと。
適材適所のシフトを慎重に。
そして、段取り、切り替えのスピード。
そして、生産計画は無理をせず、少しだけ高い目標を。
しかしこれは、内部だけの問題ではない。業界全体の問題でもある。
コロンブスの卵だ。
「一念に億傲の辛労をつくせば・・」いい知恵も出る。
現場で、悩むことである。